田舎のダメお嬢と呼ばれて

ライター/イベンター/フォトグラファー ★お仕事のご依頼はiwamuraakiko★gmail.com(★を@に変えて下さい)

【小話】19 ジブリに見る女神像

今さらながらの、『風立ちぬ』(on TV)。

ジブリ作品にはいつだって、強い中に可愛らしさをふんだんに兼ね揃えたヒロイン達が出てきて、それはそれはオジサンばっかりで作ってるからとてもリアルで、中2病だと言われてもなんでも、結局オトコ達はこーゆー女神が好きなんだってば!!とガツンと言われている気がしてくる。

ジブリの特徴である”風”に、ふわふわと豊かな髪をなびかせ、病気でも強く、とても魅力的な菜穂子嬢。

「手を離さないで」なんて、私は言ったことないし、でも言いたかったのかもしれないし。なんか別の角度からとても泣ける映画でした。とても美しい画だったので、劇場で観ておくべきだったなぁ。。。

 

風立ちぬ公式サイト

http://www.ghibli.jp/kazetachinu/

 

【小話】18 新しい場所に必要なのは、観察

小学生の時に読んだ本に、「新しい場では、とにかくまず観察せよ」的なことが書いてあった。

博打の世界で生きてきた著者の自伝だったかな?とても印象に残っている。

 

「相手に合わせるため」ではなく、「この場で自分を活かすため」としての観察。

言わば、攻めの観察。

その概念はとても衝撃的だった。

 

そしてこれまで、いろんな新しい場に臨むとき、私はあの本のオジサンを思い出してきた。

 

ひたすら黙って、博打の仕組みや勝ち方負け方を観察していた彼を思い、時に黙ることに失敗しながら(笑)観察を続け、居場所を作ってきた。

 

博打打ちの彼に少しは近づけたであろう、私の観察力がこれからどこまで通用するのか。

 

大変楽しみなのである。

【小話】17 職業に貴賎なしの個人的解釈

仕事っていうのは単なる役割分担。
1人の人間がぜーんぶやるのは無理で非効率だから、振り分けてるだけだと思ってる。

 

かけた時間とお金と努力の差はあれど、受付嬢も医者も美容師も、業務を他人にアウトソーシングしている、という形は変わらないわけで。

 

だからモチロン兼務もありだし、もし役割が空いてるなら、自由に行き来もしていい。

 

そういう感じで生きていると、たまに肩書きに乗っかってギャーギャー言ってる人に会うと?( ˙-˙ )?こんな感じになります。

【地域ルポ】16 (山梨県甲府市)いい街には、いい美術館もある

ーミレーはこの時期、生活のために肖像画を多く手がけた。この絵のモデルとなったのは〇〇。ミレーの最初の妻である。もともと体の弱かった彼女は22歳で他界した。その時ミレーは29歳。子どもはなかった。

 

ゲストハウスの方が親切にも送ってくれて、10時過ぎに着いた山梨県立美術館。

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(敷地内から見えた富士山)

 

常設で置いてあるミレーの1枚目から、キャプションに心を持っていかれている。

 

なんだ、このキャプション・・・なんか、どうしても読んじゃう。

 

ー この時代は女性も男性と同様に労働していた。健やかに育っている子どもや荷馬車にうず高く積まれた牧草などからも、豊かさを感じる一枚である。

 

ー女性達が川の水を使って洗濯をしている。洗濯は話に花を咲かせる時間でもあった。ただ、この絵の中では無口に洗っているようだ。

 

当時の情景が浮かぶし、たまに自分の視点も入れてくる感じ。

なにこれ、好きだわ〜

 

ミレーは、パリから60km離れたバルビゾン村という所に移住して名作を残したんだそう。

 

東京から60kmと言うと、神奈川県秦野市群馬県館林市、千葉県茂原市・・・なかなかの地域である。

 

そんな村に当時、イケてる芸術家が集まって生活しながら絵を描いていたらしい。ステキ。

 

有名な「種をまく人」も本物を鑑賞。

スゴイ迫力だった。

ザクッザクッ。畑を踏みしめて歩く音が聞こえるよう。

やっぱり教科書とは違うわー。

 

ーサロンに発表した際は、人々が抱く農民のイメージと違いすぎて批判も受けた。反体制派の象徴とされたのである。

 

キャプションにも熱が入る。(いや、これは単に私が反体制派という響きが好きなだけかも)

 

絵→キャプション→絵のサンドでじーっくり観て回ったら、12時前になっていた。

 

「なんか、本気で観たら疲れたね。笑」

 

同じく集中してみちゃった~と言う友人とともに館内ベンチに座り、しばし休憩する。

 

しかし、こんなにしっかりと絵を観たのは、初めてかもしれない。

 

ミレーのバルビゾン村での生活や、奥様遍歴(2人目は”眠れるお針子”という絵でモデルとなっていた。9人の子を産んだというだけあって福福しい体とオーラ。細く美しい1人目との対比に、勝手に思いを馳せてみたり。)を考えながらの絵画鑑賞。

なんだか、とても楽しかった。

 

それを可能にしたのは、あの魅力的なキャプションである。

 

「すみません・・・あの・・・ミレーのキャプションはどなたが書いているのでしょうか?」

思わず、インフォメーションで聞いてしまった。

 

完全に不思議そうなお姉さんは、しかし丁寧に内線で確認してくださって、

「本日はお休みを頂いておりますが、学芸員のコサカイという者かと思います。古い作品ですと、その前の学芸員のものも交じっているかと思いますが」

と答えてくれた。

 

「すごく面白かったですと、お伝えください」

 

不思議な三十路女が感動を伝えて帰ったよ、とコサカイさんに伝わるだろうか。

 

 

 

ちなみに、特別展でやっていた野口小蘋展は、まさかの撮影OK

大好きな顔ハメパネルまで作ってあった。

この美術館、どこまで楽しませれば気が済むのよーー!

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山梨県立美術館

「富士見の窓」やらもあり、建築的にも面白い。

http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/#

 

■BACCHUS KOFU GUESTHOUSE

サザンから歩いて10分!タオル付いてて、薪ストーブも人も温かい♡

http://bacchus-kofu.net/

【地域ルポ】15 (山梨県甲府市)いい街には、いいスナックがある

やはりここにしよう、と意を決してドアを開ける。

 

「あら、いらっしゃい」

 

白髪混じりの細身ママの向かいで、おじ様が気持ちよさそうに歌っていた。隣には華やかなおば様。

 

「ビール下さい」と私。

ハイボールできますか?」と友人。

 

「ママ、こんなに若い人が来たのなんて初めてじゃないの??」と歌い終えたおじ様が笑っている。

とりあえず、一安心だ。

 

仕事関連で知った「甲府ぐるめ横丁」。

一度どんな感じか見たくて、旅好きな友人を誘って甲府行きを決めた。

 

鴨と自然派ワイン→鹿と山梨ワインでふつふつと上がるテンション。

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締めはやっぱりスナックだろう!と盛り上がったはいいものの、女2人で行けるスナック選びはなかなかの難題。

 

寒空の下を結構歩いてしまった結果、ぐるめ横丁に戻って「サザン」というスナックに決めたのだった。

 

竹内まりや  「駅」

久保田早紀 「異邦人」

森高千里 「気分爽快」

石川ひとみ 「まちぶせ」

 

etc...

 

私達が歌う合間に、秋元順子や、木枯らし紋次郎が挟まる。

 

「ゲストハウスってなに?」に私達が答え、

「明日どこ行ったらいいですかねー?」に皆が情報をくれる。

 

恵林寺はキレイよ。

不老園の梅がちょうど見頃じゃない?

県立美術館にはミレーが置いてあるんだ。

身曾岐神社は歌手のゆずで有名よね?

車があれば、西湖が静かで俺は好きっす。

小作でほうとう食べて帰ってねぇ!

 

途中、常連の先生やデロ酔いしたおじ様二人組も参加して、カウンター満席。

閉店の12時を目の前にして店内は大盛り上がりだ。

 

恋人も濡れる街角」を気持ちよく歌い終えたおじ様にママが声をかけた。

 

「悩ましいねぇ〜」

 

なんて上品なリアクション!

声枯れてる系も良いけれど、サザンのママは、どことなく品が漂う系。

 

なんだか感動しながら、そろそろ行きますとお会計をお願いする。

 

すると、「もう?じゃこれ持って行って!」とママが手作りのサータアンダギーをくれた。

もらった袋がなぜかパリスヒルトンで、友人と爆笑。

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「山梨にこんな若い人が旅行に来てくれるなんて本当に嬉しい!楽しんでいって!」

 

常連のおじ様と固い握手を交わして、お店を後にしました。

 

いやー、アツイ夜だった。

 

「とりあえずミレーは観よう。それ以外は朝の気分で決めるで、いいよね?」

 

ゲストハウスへ戻り、そこだけ合わせて就寝。

さぁ、明日も楽しくなるぞ。

 

甲府ぐるめ横丁

http://www.kofu-food.com/