私は去年まで飲食業界にいた。
三十路を目前にして未経験で飛び込んだ業界だったので、結構必死だった。
そこで、短い間だったけれど、3箇所の地域で店舗立ち上げにも関わった。
全く知り合いのいない土地のレオパレスで、隣のオジさんのクシャミを聞きながら、どうやったらお店が地域に定着するのか、、、と、毎日毎日考える時間。振り返ればとても貴重だったなと思う。
辞めて4か月経つけれど、あの時ずーーーっと考えてた癖は抜けず、飲食店に行くと、どうしても気づくポイントが増えてしまった。
そして大体は、悪いところのほうが目に付くわけで。
残念だなぁという思いでお店を出ることも、前より増えたと思う。
当時、自身もお店に立ちつつ日々考えた結果、分かったことがある。
スタッフが誇りを持って仕事してないと、
お客様は絶対に楽しめない。
誇りの中には、楽しさ、心地よさ、チームワーク、やり甲斐など色々が含まれる。
単に、好きとか楽しい、だけだとベクトルが内側に向かっている感じ。
自分たちだけキャッキャやってて、お客さんのこと見てないお店、たまにありますよね?笑
誇りって、私の中では外に向かってる感じなのだ。
自分たちだけでは築けないステージ。
正しい厳しさの上に成り立つ心地よさってあると思う。
それをビンビンに感じる店に、伊勢で出会ってしまった。
ココット山下。
オーナーシェフの凜とした女性がキッチンに立ってて、ほわっと暖かい雰囲気のスタッフがサービスしてくれる。
カトラリーも内装も照明もステキ。
そして、全部のお料理がとにかくキレイで、ボリューム満点で、なおかつ美味い。
1日目。お肉のコース。
・モッツァレラとカマンベールのサラダ
・白菜のほっこりスープ
・ココットで出される旨味のしたたる鶏
・クランベリーシャーベットとふんわりチーズケーキ
2日目。お魚のコース。
・衣具合が絶妙な野菜と牡蠣のフリット(牡蠣抜きでオーダーしたら鮭に変えてくれた)
・ごぼうのほっこりスープ
・焦げ目香るヒラメのガーリックバターソテー(牡蠣抜き)
・チーズシャーベットとピスタチオとイチゴのケーキ
自家製パンと食後のドリンクも付いて4000円程度。これだけの内容なのにリーズナブル。
そうです、2日間通ったのでした。
2日目はちょうどお客さんが重なった。
アラカルト2組4名、
コース1名、
10分遅れくらいでアラカルト1名
という、一人で回すのはちょいと大変な状況。
でもシェフもサービスも顔色1つ変えず、
「〇〇お願いします」
「はい」
粛々と仕事をしていた。
この、ですます調というのも良いんですよね。
とても落ち着く。
どの業界もバタつく時に真価が問われますからね。
はぁ、プロフェッショナル♡
「連日ありがとうごさいます(^^)」
「また必ず、来ます・・・!」
名残惜しさ満載にお店を出ると、伊勢市のキレイな星空が。
はぁー美味しかったよーう。
思わず呟く。
伊勢、また来たい場所になりました。
お世話になりました。
ココット山下 http://ise-cocotte.com/