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田舎のダメお嬢と呼ばれて

地方公務員の両親のもとですくすく育ち、念願の上京。職を転々としていたダメ娘は三十路を過ぎ、「地域おこし」という夢を見つけた。

【地域ルポ】10(新潟県燕市)人がアツイまちは強い

たまたまFacebookで見つけたのがきっかけだった。
 
ー地域の仕事を見に行こう!参加費2万円。行きのチケットだけ手配して来てもらえれば、帰りのチケットは現地でお渡しします。
 
なにこの企画、オモシロイ。


すぐに日程をチェックして、空いていたのが、新潟県燕市(つばめし)。
 
聞くのも初めての地域。
うーん、、、私が参加して良いものか。。。
 
しかし、その心配は吹っ飛ぶことになる。
 
申し込みから数日後、1泊2日のスケジュールが送られてきた。
結構分刻みのアツイスケジュール。担当者の熱が伝わってくる。
最近話題の背脂ラーメンからスタートとのことで、すでにワクワク。
 
 
しかし当日、いきなり電車遅延で到着が1時間遅れた。
 
「すみません、、、遅れてしまいました」
「ようこそ。では先ず、背脂ラーメンを食べましょう。時間的に杭州飯店には行けないので、他のお店にお連れします。」
思いがけない市役所のお兄さん(Uターンとのこと)の言葉に、
「えっ?もう諦めてたんです。嬉しいです」と本音が漏れる。
 
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「ご当地ラーメンて作り出されたものが多いと思うんですけど、燕の背脂ラーメンは違うんです。金属産業がさかんだった文化が背景にあって。もともとは中華そばだったのを、労働者のためにしょっぱくして、すぐ食べられない事も多いので冷めないように脂で蓋をしたら美味しかった、と。」
 
 「なるほど~。意外とあっさりいけます。美味しい!」
 
歴史をききながらの背脂ラーメン。旨い。
遅刻者のためにラーメンを組み込んでくれたお兄さんに感謝。
 
 
その後、産業史料館へ移動し、他の参加者と合流した。
学生さん、地域系の仕事やってきてる社会人、無職の私(笑)。
 
ここでは、これまたUターンのアツイ学芸員さんが、燕市の歴史を語ってくれた。
一度地元を離れた人が再発見した、地元のスゴさと面白さ。
これって一番染みるよなーと思う。
不勉強でついてけないとこもあったけど、とにかく愛が伝わる説明で、終始ワクワク。
こんな風に地元を語れる人がいるって、ものすごく貴重なことだと思う。
 
そしてこの産業史料館、展示の仕方がすごく良い。
オシャレにもアカデミックにもなり過ぎないちょうどいい感じって、結構難しいと思うのだけれど、大成功していました。
 
その後、
玉川堂にて職人さんのアツイ説明&おかみさんの若いモンへの愛(家も一緒に探すらしい。)を聞き、

www.gyokusendo.com

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LUCKY WOOD(皆さん一度は目にしているはず)の小林産業さんへ。

www.luckywood.jp

 

ここは社長自らの説明で、工場内を見学できた。

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「この金属板を、このように型抜きして、その後模様を型押しし、バリ(余る部分)を取り除いて、最終は研磨で仕上げていきます。全工程を職人がやっているからこそ、たとえばここでちょっとつまずいた部分を、次の工程で取り返す、ということができる。これは人間だからできるんですね。さらに言えば日本人だから出来る。言われたことだけじゃなくて、自分の仕事を誇りをもってやる、という概念は日本人特有らしいんですね。これは研究もされているらしいです。」

 

工場内ということでインカムを着けて説明を聞くのだけど、爆音の機械音にまけない社長のアツさに、自然と笑顔になってしまう。


「こちらが最終工程の研磨です。ご覧のように、今は2人いますがどちらも女性です。男性は筋力を使う工程が向いているということもありますが、やはり女性の職人の方が集中力が続くんですね。男性はどうも、夕方過ぎると晩酌に気が行ってしまうのかな。効率がガタっと落ちてしまう・・・(笑)」

 

会社を支える社長の考える性差。とっても興味深いし、すんなり入ってくる。

 

「今ご覧頂いているように、2人がスプーンを4本ずつ研磨しています。これ、機械でやったら1回に1本です。しかも、もし一つでも不具合があったら、都度設定しなおさなければいけない。この職人さんたちは、一本一本、微妙な仕上がりを調整しながら仕上げているわけです。つまり、人間の方が8倍効率的なのです!」


これ、夜に開かれた市役所の方との交流会でも何度も言ったんだけど、とても響いた。


ものづくり業界において、人間が機械に勝る部分て何だろう??


ずっと、それが疑問だった。

 

人のぬくもり、とか手仕事の重要性、とか気持ちの部分ではない所で人間が機械に勝てるの?という思いがずっとあって。


そんな私に「人間の方が8倍効率的なんだ!」という事実は、ものすごい驚きと納得感をもたらしたのだ。

 

なるほど社長!そうなんですね!

そもそも職人がやった方が効率的で、そこに更にストーリーが乗っかっていくことで、ものづくり業界は続いていくのですね!

 

いま日本は、本物にはお金を出します、な時代になっていると思う。


もはや、どれだけ買い手にストーリーを響かせられか。そこだけな感じもする。


だから、確実な技術とストーリーを持っている地域は強い。あとはPRするだけだから。


そうすると、燕市は技術とストーリーの宝庫であり、後継者もちゃんと育てているし、強そう。


燕市ヤバイです!これからきっとますます来ますねー!と、市役所の方々とお酒を酌み交わして1日目終了。

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翌日は、研磨職人の育成施設、磨き屋一番館にて研磨体験からの、http://www.tsubamekenma.com/

めちゃめちゃカッコイイナイフ作ってる藤次郎の工場見学。

http://tojiro.net/jp/index.php


そして最後に、

カトラリーが選べるレストランに連れて行ってもらった。

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工場見学した後の、カトラリーとの接し方。

そりゃ、変わりますよね?


結局、インスタントが高級スープに!という触れ込みの、スープ専用スプーンを買って帰りました。


下唇に当たる感覚、抜くときの滑らかさ、カトラリーが気持ちがいい、という体験は初めて。なんか嬉しい。

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今回たった一泊だったけど、ほんとに充実してて楽しかった。

社長たちや職人さんがアツいのはある意味当たり前かもしれないけど、市役所の方々のアツさは特筆すべきでは。

UIJターン組で、良いところも悪いところも知った上で、もがきながら燕市を愛してる感じ。


燕市、また必ず行きたいです。