・・・一睡も、できなかった。
いや決して、川の音が原因ではない。
大自然に囲まれて、ひとりで、広い部屋にいたら、
「来月いったん仕事を辞めて完全に宙ぶらりんになる三十路女」である自身に対し、とめどない不安とワクワクのループに入ってしまったのである。
「おはようございます」
宿のスタッフと挨拶を交わしながら、勝浦川ほとりへ向かう。(素敵な遊歩道があります)
間近の勝浦川が更に音を増し、私を包みこんでゆく。
圧倒的な自然・・・・の中にいる、ちっぽけなわたし。
そうそう、この感じ。
かつて死ぬほど嫌だった、自然に包まれる感覚。
でも今はなんだか癒されている・・・
年齢の妙なのだろうか・・・
時間になったので、宿に戻り、いよいよ視察が始まった。
まずは、いろどりスタッフの方からの事業説明。
きっと私より若い、大阪から移住したという男性と、かなり広い会議室で、二人きり。約1時間、みっちりといろどりの説明をしてくれた。
”つまもの”(日本料理に添えられている紅葉などの葉っぱ)はもともと弟子たちが山へ取りに行くもので、買うものではなかった。 JA職員だったいろどり代表の横石氏は、そこに目をつけた。
斜陽だったみかん産業に変わる新しい産業・・・上勝町にあるもの・・・葉っぱ?葉っぱをビジネスにできないか・・・・?
もう、この発想がシビれる。クリエイティブ!
そして、「上勝情報ネットワーク」というシステムを構築した。(徳島市内のシステム業者に依頼したとのこと)
葉っぱの注文が入る→個人がそれぞれの端末(PC、タブレット)から受注→受注者は午後までにJAへ葉っぱを納品→即日出荷される
という流れ。
システムを通じた情報発信をいろどりが、
受発注の取りまとめや出荷業務をJAが行っている。
中には、年収1000万円を稼ぐおばあちゃんもいるとのこと!すごい。。。
後半は、質疑の時間だった。
●おばちゃん同士がライバルになって、空気悪くなったりしないんですか?
「いえ、葉っぱの種類である程度住み分けが出来ているので、取り合う、みたいな感じはあまりないです」
●最初のネット環境や端末などのインフラ代はどこが?おばあちゃん達に普及させるの大変ではなかったです?
「最初は国の補助金を使ったりNTTに協力いただきました。今はおばあちゃんたちも使いこなしていますよ。」
●これだけ有名になると、変な視察の人きません?笑
「厳しい質問される方も時折いますが、みなさん熱心に視察されていきますよ」
etc...
にこやかに答えて下さるスタッフさんに甘え、聞きたい事をそのまま聞いてしまった。
「では次に、実際に観に行きましょうか」
今度はおじ様スタッフに代わって、現場に連れて行ってくれるという。
朝のしんみりが嘘のように、もう、なんだかワクワクしっぱなし。