やはり、旅はその土地の人がいると楽しい。
そう実感した旅だった。
昔から知るシンガーさんがライブをするというので向かった茨城県水戸市。
2年前に遊びに行ったときは死ぬほど遠かったイメージだったが、
恐らくその時は特急を使わなかったのだろう。
前回は、イベントディレクターを辞め、カフェの会社に入るまでの、無職の期間だった。
ちょうど痛い失恋もしたときで、不安な時期。
偕楽園の緑に癒されたのが懐かしい・・・(遠い目、笑)
あの時と同じく、ニコニコと改札前で待ってくれていた友人は
ボブに切った髪も相まって大人感がプラスされていた。
「久しぶり~^^」
近況を話しながら、大通りを歩いてライブハウスPaper moonへ。
まずは、MY GENERATION のパワフルな歌と演奏を堪能。安定のステージ。素敵だった。
http://papermo-on.org/hara-chie-pro.html
その後、友人オススメのワインバーへ。
http://s.tabelog.com/ibaraki/A0801/A080101/8011382/
ワインもお料理も美味だった。
そして、新人の女の子へのマスターの指導の仕方が優しくて素敵。
(元飲食として、どーーしてもスタッフの雰囲気が気になってしまう。)
「ここはいいよ~交通費かかってるでしょ」と友人がご馳走してくれる。カッコいい。
翌日。
彼女オススメの笠間(かさま)市へ出発した。
・笠間稲荷神社は県内で2番目に大きいんだよ
・茨城は魅力度ランキング最下位だったけど、逆にオイシイよね
・浅草のホオズキ祭りのホオズキはほぼ茨城産なんだよ
・笠間市は陶芸のギャラリーが多くて超ステキなの!
etc・・・
車中で次々に出てくる情報に、スゴイなーと思う。
地元をちゃんと愛し、楽しみ切る!
そして外の人にもそれ伝える!
この熱意は昔から彼女の大きな魅力の一つだ。
完全ナビのもと、サクサク観光し、午後、その日のメインだった「中国茶の会」へ。
笠間に移住した建築家のご遺族が市に寄贈したと言う「笠間の家」。
現在はイベントスペースとして使われているようだ。
http://www.city.kasama.lg.jp/sp/page/page005149.html
自然に溶け込む、陶磁器みたいな色の建物。
扉を開けると、超素敵な空間が広がっていた。
お茶会は今回で3度目とのこと。
茨城出身で台湾在住の先生が、年に数回帰国するタイミングで開かれているらしい。
まずは、水出しの烏龍茶でもてなされる。
薄張りグラスに氷を入れる所作、ひとつひとつが美しい。
自然とこちらも背筋が伸びる。
次に場所を移動し、別の種類の烏龍茶を頂く。
お猪口くらいの湯飲みで、五回(五煎)。
同じ所作を繰り返しながら淹れられるのだけれど、都度、香りと味が変わって驚いてしまう。
実際にお茶を頂くだけではなく、
・茶葉の香りを楽しみ、
・少しだけお湯で開かせた茶葉の香りをまた楽しみ、
・一気にお湯を注いだあとにその蓋の香りも楽しみ、
・飲みきった後の開ききった茶葉を器にあけてまた楽しむ。
「本当に、中国茶は香りを楽しみ切る、ものなんですよ」
フフ、と優しく笑う先生。
なんと豊かな・・・
コポコポと注がれるお湯の音
蝉の声
無駄なく美しい所作
静けさ
立ちのぼるお茶の香り
を、
6名の参加者で共有している空間。
なんだか安心し切って、思わず眠くなってしまった。
こんなに無心でありつつ、あたたかな気持ちに包まれたのは凄く久々な気がする。
「いやー、ほんとにありがとう。めちゃめちゃ素敵だった・・・」
「ううん、喜んでくれて嬉しいよー」
互いにほわーんとしながら、友人と帰路へ着く。
聞けば、これから秋にかけて、陶芸のお祭り、蕎麦祭り、アートイベントと、目白押しなのだという。
「茨城楽しいでしょ??またぜひ来て〜!」
水戸駅で友人と別れながら、また来ようと思った。
魅力度ランキング、最下位の県。
でも私には、確実に、魅力いっぱいの県である。