田舎のダメお嬢と呼ばれて

フリーライター/イベンター 地方公務員の両親のもとですくすく育ち、念願の上京。職を転々としていたダメ娘は三十路を過ぎ、「地域おこし」という夢を見つけた。★お仕事のご依頼はiwamuraakiko★gmail.com(★を@に変えて下さい)

【小話】32 温かいサバイバル

いつも8時起床だが、Wi-Fi業者が来るので7時半に目覚まし。

 

ベッドの上でまったりしていたら、なにやら一階が騒がしい。

 

ん?ラジオかな?

 

しかししばらくすると無音になったりするので、両親が話しているのだと理解する。

 

「おはよ~」
「おはよう!」
「えらい盛り上がっちょるやん。」
女性宮家問題をね!」
「朝から喧嘩しよるとかと思ったわ、笑」
「ハハハ」

 

昨日親知らずを抜いて瀕死だった母は驚異的回復を見せ(逆に言えば痛みに対し驚異的に弱い)、朝から父へアツイ議論をふっかけていたらしい。

 

ほんと、オモロイ人だ。

 

先日なんか「頭痛薬飲むとなんか妙に楽しくなることない?」と聞いてきたので詳しく聞くと、職場でも数名が同様の経験があるのだと言う。

 

ググってみたら実際にそういう作用あるらしく、頭痛薬でキマる母親って!と笑ってしまった。

 

「行ってきます!」
「はーい、行ってらっしゃーい」

 

一瞬の静けさのあと「ひよっこ」が始まり、
今度は父が、いかにこのドラマがいいかを語り始めた。

 

今はだいぶなくなったと信じたいんだけど、私には”人の話を取る”癖があった。

 

それはきっと、このサバイバルな状況で育ったからだ。

 

こっちを向いて!と主張しないと話せない状況。

 

だけどそのベースには”誰かしら話を聞いてくれる”という安心感があるのであって、それは結構ステキな家族像だよなと今では思う。

 

業者さんが帰り、父は庭メンテへ移動した。

 

快適Wi-Fiの通ったリビングでひとり、静けさをじっくりと味わっている。

 

さて、しばらくしたら真向かいの祖父母の家へ行こう。

 

これまた別の、温かいサバイバルが待っている。