田舎のダメお嬢と呼ばれて

ライター/イベンター/フォトグラファー ★お仕事のご依頼はiwamuraakiko★gmail.com(★を@に変えて下さい)

【小話】42(宮崎県)田舎のエンタメ、蛇

朝、お寝坊してたら、叔母(68)に起こされた。

「立派な蛇の抜け殻があるっちゃが!ちょっときてん!!」
 
着替えて外へ出ると、塀の前にへろへろ~っと抜け殻が横たわっている。
スマホで写真を撮れというので、眠いな~と思いつつパシャリ。
うーん、なんかイマイチ・・・
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私は昔、動物園にあった蛇小屋が好きだったらしい。
「あんた夢中で見よったっちゃが!」という30年前の記憶により、叔母にとって私は”蛇好き”キャラに認定されているようなのだ。
 
自分は苦手なのに私を呼び出し、遠くから「そこにおるやろ!」と見せようとしてくれる。
 
この前畑にナマの蛇が出たときもすぐにお呼びがかかり、これまた蛇嫌いの祖父(92)が鍬で殺そうとしてる姿に爆笑して写真を撮った。(すばやく逃げられていました)
 
「頭から尻尾までキレイに残っちょるやろ?こんなキレイな抜け殻はご利益があるって、額縁に入れて飾る人もおるらしいわ!」
「・・・いやーでも、これ飾るけ?」
「うーん・・・まぁちょっと気持ち悪いね、笑」
「今日お父さん帰ってくるし、土に戻してもらおうや」
「そうやね」
 
家の前の蔵には「主(ぬし)」と呼ばれる蛇が住んでいるから壊せない、とか色々、田舎はファンキーなことが多い。
 
それを体験させようとしてくれる人たちにも囲まれて、ほんと毎日飽きないです。

【小話】41 ダメお嬢精神はすなわち、マインドフルネス

生理中で激眠のため、9時に起床。

母はすでに出勤していて、いつものコーヒーだけが残されていた。
自家焙煎してるカフェから買ってる豆、美味い。
 
シャワーを浴びて、洗濯機を回し、Podcastで適当に見つけたDJ MIX(懐メロも入れてくれるので助かる)を流す。
 
唯一レギュラーでいただいている校正の仕事に「これでいきましょう!」と返したあと、今度東京で開くヨガイベントのページ作りに取り掛かった。
 
蝉の泣き声とハイテンションなDJが流すレゲエが混ざり合い、
火照った肌を扇風機の風がなでていく。
 
・ライターテストの結果が今週中には来るだろうな
・10月予定の宮崎県北の面白いひと巡るツアー、日程決まったら企画書たてなきゃ
・宿泊業勉強したいから地元のホテルでバイトでもしてみるかなー
トークライブ出ませんか?って依頼がきたけどなに喋ろう
・もうちょっと落ち着いたら九州豪雨ボランティアに行かなきゃ
 
自由を求めて18歳で出ていった家に、ほぼ無職&一人で戻ってきた32歳の私。
 
ご近所や親類のザワつきは耳に入っているのだけれど、自分でも不思議なほど不安がないのだ。
 
これは私の人生だから。
悩みも喜びも、存分に味わえるのは私だけなんだもーん。

【小話】40 パスタ、パスタ、パスタ

おじいちゃんが作ったニンニクをオリーブオイルで炒め、北浦の塩で茹でたパスタを絡める。近所のスーパーで買った生ハムをのせたら、叔母が苗を50円で買って来て育ちまくってるバジルを千切って散らす。それを、新潟県燕市で買ったフォークに巻きつけてツルッといく。最高。私は、パスタが、大好きだ!(鷹の爪を入れ過ぎたので次回は気をつけよう。) 

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【小話】39 オトナができること

「決断できない」というのは、経験値の無さというより、「責任をかぶりたくない」という臆病な心の現れなんだと思う。

 

これはきっとクセだと思うから、小さな決断グセをつけてけば、大きな決断ができるようになるはず。きっと。


_______

 

昔、不器用な年上の後輩を持って悩みに悩んでた時のつぶやき。

 

期待し過ぎた(=自分の希望を勝手に相手に押し付けた)結果、この数ヶ月後にクライアントからめちゃめちゃ怒られる事態を招き、めちゃめちゃに落ち込んだ。

 

人の能力・得意不得意は30歳くらいまでで大体決まる。

 

それ以降は、「育てる」「変える」なんておこがましい事は思っちゃダメ。

 

相手をきちんと見極め、できる仕事をやってもらう。

 

オトナ相手にできることってそれだけだし、自分もそうやって判断されてくのだよなー、と学んだ出来事でした。

【小話】38 大相撲 名古屋場所が始まる~八百長問題にのせて~

>2014.7.2に書いたものです。

 

録画してたザ・ノンフィクションを見る。

数年前に大問題となった相撲の八百長問題。その渦に巻き込まれてしまった二人とその家族を追いかけていた。

 

「ごめん、守れなかった、と親方に目の前で泣かれたら、もう何も・・・」 と引退の道を選び、プロレスラーに転向した力士。

 

「大好きな相撲に育ててもらったのに、やってもいないことで辞めなきゃいけないのは・・・」と裁判に訴えた力士。

 

二人の人生は、今もそれぞれに続いてて、そこには当たり前だけど色んな感情がグルグル渦巻いていた。

 

それらが、優しくも程よい熱を持った描き方で伝わってくる作品。

いやー、涙が止まりませんでした。

 

八百長なんて相撲以外にもあるに決まってるのに、世間は野暮ったいことするなぁ~。巻き込まれちゃった力士、可愛そ、、、

なんて、私とても乱暴な考え方をしてた。

 

他人に乗っかって騒ぐのも下品だけど、分かったふりして無関心を決め込むのも、同じくらい下品だ。

 

そこには常に、人間がいるのだよね。そして感情があるのだよね。

 

"世間はすぐに忘れてしまう。"

ってナレーションが、作品中とても印象的に使われているのだけど、
"知ること、考えることを辞めないで"というメッセージにも感じた。

 

来場所、後者の、裁判に勝った力士が二年ぶりに復活を遂げる。

名古屋だから行けないけど、また、きちんと観なきゃなぁ、と思うのでした。