タバコを吸っていた10年ほどは、付属する多くの物事に囲まれていた。マッチやジッポやガスライターも一通り揃えたし、フリスクやガムは持ち歩かなきゃだし、携帯灰皿も忘れずに、吸える場所もチェックして、歯のクリーニングもしないと……なんだかやる事が沢山あった。それでも、（最後はアメリカンスピリット8mmに落ち着いたのだが）タバコ自体の味とタバコのある生活は好きだった。朝のベランダでコーヒーと共に一服、なんて最高だったもの。それをなぜ辞めたかと言うと理由はふたつ、出産欲の到来とミニマリストへの目覚めである。あれから8年、ミニマリスト部分だけが残った自分を、結構気に入っている。
