LUCKY WOOD(皆さん一度は目にしているはず)の小林産業さんへ。
ここは社長自らの説明で、工場内を見学できた。
「この金属板を、このように型抜きして、その後模様を型押しし、バリ(余る部分)を取り除いて、最終は研磨で仕上げていきます。全工程を職人がやっているからこそ、たとえばここでちょっとつまずいた部分を、次の工程で取り返す、ということができる。これは人間だからできるんですね。さらに言えば日本人だから出来る。言われたことだけじゃなくて、自分の仕事を誇りをもってやる、という概念は日本人特有らしいんですね。これは研究もされているらしいです。」
工場内ということでインカムを着けて説明を聞くのだけど、爆音の機械音にまけない社長のアツさに、自然と笑顔になってしまう。
「こちらが最終工程の研磨です。ご覧のように、今は2人いますがどちらも女性です。男性は筋力を使う工程が向いているということもありますが、やはり女性の職人の方が集中力が続くんですね。男性はどうも、夕方過ぎると晩酌に気が行ってしまうのかな。効率がガタっと落ちてしまう・・・(笑)」
会社を支える社長の考える性差。とっても興味深いし、すんなり入ってくる。
「今ご覧頂いているように、2人がスプーンを4本ずつ研磨しています。これ、機械でやったら1回に1本です。しかも、もし一つでも不具合があったら、都度設定しなおさなければいけない。この職人さんたちは、一本一本、微妙な仕上がりを調整しながら仕上げているわけです。つまり、人間の方が8倍効率的なのです!」
これ、夜に開かれた市役所の方との交流会でも何度も言ったんだけど、とても響いた。
ものづくり業界において、人間が機械に勝る部分て何だろう??
ずっと、それが疑問だった。
人のぬくもり、とか手仕事の重要性、とか気持ちの部分ではない所で人間が機械に勝てるの?という思いがずっとあって。
そんな私に「人間の方が8倍効率的なんだ!」という事実は、ものすごい驚きと納得感をもたらしたのだ。
なるほど社長!そうなんですね!
そもそも職人がやった方が効率的で、そこに更にストーリーが乗っかっていくことで、ものづくり業界は続いていくのですね!
いま日本は、本物にはお金を出します、な時代になっていると思う。
もはや、どれだけ買い手にストーリーを響かせられか。そこだけな感じもする。
だから、確実な技術とストーリーを持っている地域は強い。あとはPRするだけだから。
そうすると、燕市は技術とストーリーの宝庫であり、後継者もちゃんと育てているし、強そう。
燕市ヤバイです!これからきっとますます来ますねー!と、市役所の方々とお酒を酌み交わして1日目終了。
翌日は、研磨職人の育成施設、磨き屋一番館にて研磨体験からの、http://www.tsubamekenma.com/
めちゃめちゃカッコイイナイフ作ってる藤次郎の工場見学。
http://tojiro.net/jp/index.php
そして最後に、
カトラリーが選べるレストランに連れて行ってもらった。
工場見学した後の、カトラリーとの接し方。
そりゃ、変わりますよね?
結局、インスタントが高級スープに!という触れ込みの、スープ専用スプーンを買って帰りました。
下唇に当たる感覚、抜くときの滑らかさ、カトラリーが気持ちがいい、という体験は初めて。なんか嬉しい。
今回たった一泊だったけど、ほんとに充実してて楽しかった。
社長たちや職人さんがアツいのはある意味当たり前かもしれないけど、市役所の方々のアツさは特筆すべきでは。
UIJターン組で、良いところも悪いところも知った上で、もがきながら燕市を愛してる感じ。
燕市、また必ず行きたいです。