田舎のダメお嬢と呼ばれて

ライター/イベンター/フォトグラファー ★お仕事のご依頼はiwamuraakiko★gmail.com(★を@に変えて下さい)

小話77 "言われるうちが花"の真実

不安をぶちまけながら泣きじゃくる部下とか、言い訳だらけで仕事覚えないアルバイトとか、パワハラが止まらない元ヤン同僚とか。

 

かつて、あー、めんどくせぇ…と思いつつ叱ったり励ましたりできたのは、それが仕事だったから、そして私が若かったからだ。

 

歳を重ねると、ほとんどの人が省エネ期に入っていくと思う。それを言い換えたのが"丸くなる"って表現。

 

響きそうな人に、的確に物事を伝える方がコスパがいいし、人はある程度まできたら変わらない。それをどこかでみんな悟るのだと思う。

 

結果、素敵な人はもっと素敵に、そうでもない人はよりそうでもない方向に進む。

 

これは自分にも言えることで、本当に気をつけようと思っていることです。

小話76 NHKサラメシの当たり回「ランニングおにぎり」

一昨日のNHKサラメシ。静岡県浜松市の区役所に勤める女性のお話だったが、めちゃめちゃパンチが効いていた。
 
彼女のサラメシは「ランニングおにぎり」。彼女はお昼になると、左手には日傘(西日よけと視線よけ)、右手におにぎりを持ち、自宅までの約2kmを猛スピードで走り抜ける。その間にむしゃむしゃと食べつくす大きめのおにぎりが、彼女のサラメシだ。
 
汗ビッショリで家につき、家事をすませ、また職場まで走って戻る。それをもう3年続けているという。その理由は
 
「夜はできるだけ子どもとの時間を大切にしたいから」。
 
そこで、いやいやいや!とツッコんだ。
私が睨むに、きっと彼女はランニングおにぎり自体を楽しんでいる。その証拠に「もうすぐラストランです」と番組宛に投稿したのはご本人なのだ。
 
「ご家族のことをねぇ…考えてだと思うんですけど……私にはできなかなぁ…」同僚の戸惑いインタビューにも、彼女の一匹狼ポジションが透けて見える。もう、夢中で見てしまった。私はこういう人が大好きだ。日本人にはあまりいない気がするが、いわゆる”我が道を行く人”の自由さと明るさを、私は心から美しいと思う。人の目なんて気にしてられないよー、自分の人生だもん!というのは、”自分の人生をちゃんと引き取る”ということ。めちゃめちゃ美しい姿勢だ。
 
番組中盤で彼女の母親が出てきた。
 
「(ランニングおにぎり姿を見たことは?)もちろんありますよ!!もう、恥ずかしいよねぇ……。でもね、あの子は……面白い子ですよ。ほんとに。」
 
この大らかな母もまた、きっと自由で美しい世界に生きている。いやー、当たり回でした。

小話75 センター試験に失敗するかもしれない君へ

17時半に仕事を終え、読みたい本の棚へ向かう。そこには大抵、勉強する学生たちの姿がある。追い込みだもんね、と少し離れて座る。明日がセンター試験だなんて、この職場じゃなければ気にもしなかっただろうに。やはり環境が変わるって面白い。

 

私は16年前、センター試験に失敗した。第1志望のICUには全く引っかからなかったから、センター利用で大学に受かる必要があったのだけれど、第2、第3志望も全然ダメ。でも「この街を出て東京へ行く」は小学生からの夢だったから、蓋を開けてみたら東京じゃなく群馬にあった(愕然とした、笑)大学に進むことにした。リアルに滑り止めてもらった訳だ。

 

結果、どうなったか。 面白い人達にたくさん出会い、アイルランドにも行って、恋愛も仕事も、やりたい事はぜーーんぶできた。今は、かつて大嫌いだった宮崎で、ウンウン唸りながら企画考えたり、全く人気のない相撲ネタを投稿したりしている。

 

「希望の進路に進めることが一番。でももしそうならなくても、あなたはあなた。大丈夫。」

 

当時、めちゃめちゃ落ち込む私にそんな事を言って、選択肢を与えてくれた両親には感謝しかない。

 

センター試験は、ひとつの節目ではある。けれど、人生全体で見たら大した事ではないよきっと。がんばって!

 

#図書館で働いています

小話74 相撲の地方巡業から見えてくるもの

巡業ってのは、地方の相撲ファンへの営業であり、こちらからすれば、普段の稽古風景を観るようなものだ。だからこそ、全体的にリラックスした雰囲気で進む。

 

ここがよく勘違いされている気がするんだけれど、力士たちはビジュアルが古風なだけで、普通の若者である。そして相撲ってのはむしろ、他のスポーツよりも悪めな方々が入りやすい世界だ。(元千代大海が大分の暴走族だったのは有名な話)


大学相撲出身のエリート組、叩き上げ系、移住外国人たち… 


土俵を降りてちょっかいを出し合う力士達を見ていると、まぁ、色んな力士が居るよなと思うのである。そして、やはり少し未熟な、何というか「男子校ノリ」みたいなものも感じる訳だ。


出身国の文化
×
角界の文化
×
個人の性格
×
若さ


色んな要素が入り組んだ、男たちの特殊な世界。


そこに多分に「お金」も絡むから、結果、成熟した業界には今後もならないと思う。


そして、それはそれで、仕方ないと思っている。


「だから土俵上にしか興味はないのよねぇ…」なんて思いつつ土俵を観ていたら、地元のケーブルテレビに映り込んでいた。


腕を組み、したり顔で土俵を見守る、自身の姿。


心から引きました。

【失敗を晒そう】1 資料が作れないよ!もう帰るー!

ペーペーのイベントディレクターだった頃の話。単に焼き直せばいいパワーポイントのマニュアルを任されたんだけれど、意味が全然わからなくて、恥ずかして悲しくて悔しくて、先輩が打ち合わせに入った瞬間に帰っちゃったことがある。

 

今思えば意味不明だけれど、私はそれほどまでに、"できない自分を認める"ことを怖がっていた。「分からないです教えてください」でいいはずなのに、なぜか先輩に反感さえ覚えながら渋谷の街をトボトボ帰ったっけ。いやー、ダサイ、笑。

 

翌日、先輩から小部屋に呼び出された。「なんで昨日帰ったの?」から聞いてくれて、その後「そういうスタンスだと今後何も教えられない」としっかり叱ってくれた先輩。今でもとても感謝している。

 

できない自分なんてさっさと認め、足りないものを手に入れればいい。

 

こう書くと簡単そうなのに、なかなか出来ないから不思議。修行は続く。

 

#失敗を晒そう