田舎のダメお嬢と呼ばれて

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小話170 ボールのゆくえ

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「みんなさぁ、ボールを持っておけないからすぐ僕に回してくるんだよ。だからどうしても…たまっちゃうんだよねぇ」
 
昔、上司オジサマとお茶した時、彼がしみじみ呟いたことがあった。私は「はぁ⁉︎あなたの判断が遅いだけでしょ!てか私の異動の件も早く結論出してよね!」なんて思いで聞いていたのだが(プンプン期の真っ只中)、最近、「自分でボールを止めておく」というのは場合によっては優しさだし、器のデカさなのかもしれないな…と思うのだ。
 
私は一刻も早くボール手放したい派で、幹事とかささーっとやるし、仕事も早い方だと思う。それって結局は、自分がスッキリしたいからだ。果たしてそこに、他者への配慮はあるだろうか。
 
すぐボールが返ってくるというのは、相手によってはプレッシャーかもしれないし、ペースを乱す可能性もある。一旦受け止めて欲しいだけのボールもあるだろうし、ゆったり投げたつもりが豪速球で返ってきたらビックリするはずだ。
 
あらゆるボールをふわっと受け取り、相手の求めるタイミングでふわっと投げ返す。フリーランスになった今、そこら辺の塩梅ってより大切なのだろうなぁと思っています。自分にも他者にも、優しくありたい。
 
実験はつづく。